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こんにちは、ネイチャープログラマーのモリゾーです。定年を目前に早期退職し、アウトドアアクティビティとソフトウェア開発に没頭しています。このブログでは、これまでに行ってきた山歩きについて、道中で撮影した写真を中心にその行程を紹介していきます。
今回は、埼玉県北西部に位置する秩父市、皆野町、神川町の境界地点にある城峯山を訪れました。標高1,037.7mの山頂には電波塔が設置されており、その上部は展望台となっています。展望台からは秩父盆地や、秩父地方のシンボルである武甲山、さらに両神山や雲取山などの奥秩父山塊を一望できます。
また、城峯山には平将門が追手から隠れるために立てこもったという伝説が伝わっており、将門が隠れたとされる岩など、将門伝説にちなんだ地点を訪れるのも一つの楽しみです。
新緑が美しく生い茂る5月の終わり、展望と歴史的なロマンに満ちた城峯山への山歩きを楽しんできました。
城峯山にはいくつかの山歩きコースがありますが、今回私が選んだルートは以下の通りです。
沢戸の水車小屋脇駐車場 → 男衾登山口 → 城峯神社 → 天狗岩 → 城峯山山頂 → 城峯神社 → 南尾根 → 中郷登山口 → 沢戸の水車小屋脇駐車場
登りは城峯神社の表参道ということもあり、道幅が広く特に難所もないため比較的楽な行程でした。しかし、下りは途中に傾斜のきつい岩場があったりするなど、距離が長く、行きよりも帰りの方が大変でした。
訪問時期 | 開始時刻 | 終了時刻 | 所要時間 | 総距離数 |
---|---|---|---|---|
2023年5月下旬 | 7時33分 | 13時45分 | 6時間10分 | 12.4km |
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スタートは沢戸の水車小屋。水車小屋の脇には、車を3~4台収容できる小さな駐車場があります。今回はここに車を停めさせてもらいました。
駐車場の向かいに「天恋の水」という名水ポイントがあります。この水は、雨乞い山を水源とする「鼓の沢」から引いていて、水質は軟水だそうです。”天恋”は一瞬どう読むか分からなかったのですが、水源の雨乞い山に因んで命名したということなので、きっと「あまごい」と読むのだと思います。
登山口までは、石間川添いの一般道を歩いていきます。この辺りは石間郷と呼ばれ、見ると山の上の方まで民家や畑が続いています。まさに「山肌にへばりつく集落」という感じです。
途中に綺麗な公衆トイレがあったので利用しました。先ほどの水車小屋や名水ポイント、そしてここにあるきれいなトイレなどを見ると、この集落が観光に力を入れていることが伺えます。
さらに進んで行くと、突然城峯神社の大鳥居が現れます。このような大きな鳥居があるとは思わなかったのでびっくりしました。
ようやく登山口のある場所までやってきました。「城峯山登山道」と書かれた標識がありますが、ヤマレコを見ると少し手前の道を入るようにルートの線が引かれています。どちらを信じるべきか迷ったのですが、いったん手前の分岐まで戻って調べてみることにしました。
ヤマレコ上のルートでは、ここを入って行くようになっています。地図で見るとどちらの道も先で合流しているようだったので、とりあえず行ってみることに。
少し行くと、お墓があり、坂を上った先に小さな祠がある場所に出ました。祠のところまで登ってみると、その先にはっきりとした道がありません。藪漕ぎすれば行けなくはなかったですが、無理して変な道に行って道迷いしたくはなかったので、最初の標識があった場所まで引き返すことに。
登山道の標識があったところまで戻って、標識通りその道を入って行くと、民家の脇に小道があり裏山に登って行けそうな感じです。ここが城峯山の登山口でした。
表参道コースは、城峯山の表参道というだけあって、登山道の道幅が広く、整備が行き届いており、非常に歩きやすい道です。
ただ、歩いていて気になったのが、こちらの道標です。表面には「二十七丁目」と書かれており、このような道標が一定の間隔で現れます。これはおそらくある地点からの距離を示しているのだと思いますが、具体的な意味は不明です。1丁目が約109mなので、27丁目だと約2,943mになります。大鳥居からの距離を表しているんでしょうか?
さらに、「三千八百メートル」と書かれた道標も一定の間隔で現れます。3,800mは標高ではないので、距離と考えると3.8kmとなりますが、先ほどの丁目をメートル法で表わしたものなのか?いずれにしても起点がどこなのかは不明です。
しばらく進むと、山の中腹に岩穴が見えてきました。周囲を見回しても登るための道はありません。それほどの斜面ではないため、行こうと思えば行けないことはないですが、今回は見送りました。それにしても、いったい誰が何の目的で掘ったんでしょうか?何か謂れがありそうですが、付近に説明板などは見当たりませんでした。謎です。
次から次へと現れる謎に思いを馳せながら登っていくと、やがて開けた場所に出ました。登山道を登り終えた先は広場になっていて、水道場もあることから、ここが城峯山キャンプ場のようです。まさに昔ながらのキャンプ場という雰囲気が漂っています。
そして目の前に「将門伝説を探る!」の案内板が…。案内板の説明によると、「城峯神社は、平将門伝説によると、関東が一望できるこの地に城を築きこの山を城峯山と呼ぶようになった。その後藤原秀衡が平将門を討ち、ここに城峯神社を建立したと言われている。」そうです。なるほど。
それでは、城峯神社に向かいましょう。参道には杉の巨木が立ち並び、神聖な雰囲気がただよっています。
城峯神社の正面に到着しました。お参りしていきましょう。
石段を登った先にある社殿は、歴史を感じさせる建物です。
社殿の正面左手には、「将門」と表記された扁額が飾られています。城峯神社が、平将門伝説にゆかりのある神社だということが分かります。
城峯神社の境内からは、奥秩父山塊の山々を一望できます。
左手の山から順番に見ていくと、まず百名山のひとつである雲取山が見えます。
その隣には二百名山の和名倉山が…。
その右手には、百名山の甲武信ヶ岳と埼玉県最高峰の三宝山が…。
その右手、間近に見えるのが、百名山の両神山。そのギザギザとした山容が印象的です。
そして遥か遠くに、八ヶ岳連峰の赤岳と横岳を確認することができました。まだ雪が残っている様子が良く分かります。手前近くに見える山が二子山です。
参考までに、城峯山から見える山々が説明されたパネルの写真も掲載します。
城峯神社の近くには、「将門の隠岩」と呼ばれる岩窟があるとのことです。まずはこちらの説明板で伝説を確認します。
将門の隠岩へと続く道の手前に「警告」の立て看板が…。自己責任で登れとのことです。
将門の隠岩の下に到着。このくさり場を18m登ると将門の隠岩があるようです。岩登りにはあまり自信がないので、今回は登らないでおきます。
一旦来た道を戻り、別の道を進むと、尖った形状の岩にたどり着きます。ここが「天狗岩」と呼ばれる岩です。手前に見える柵の左手は切り立った崖となっており、おそらく先ほどの将門の隠岩はこの崖の中腹にあるのではないかと思います。
天狗岩の先端には、小さな岩の祠が建っています。上まで登れそうなので、行ってみましょう。
天狗岩の頂上は、南西方面の視界が開けており、ちょうど正面に両神山が見えます。目の前は切り立った崖です。バランスを崩さないように写真を撮影します。
城峯山の山頂に到着です。標高は1,037m。
城峯山には、一等三角点が設置されていて、まずはその説明書きをご覧ください。
そして、こちらがその一等三角点です。
また、山頂には電波塔兼展望台がド~ンとそびえ立っています。見上げると結構な高さがあります。さっそく登ってみましょう。
展望台からは360度見渡すことが可能ですが、残念ながら北東方面は樹木によって視界が遮られてしまっています。もう少し高ければ全方向が見えるのでしょうけれど…。それか葉が落ちる冬に来ると良いかもしれません。
それでは、南東方面の眺めをパノラマ画像でご覧ください。秩父市街全域と武甲山、雲取山、和名倉山、甲武信ヶ岳などの山々を一望できます。
少し拡大してみましょう。武甲山と秩父市の街並みがはっきりと見えます。
さらに望遠で見ると、東秩父の山並みの向こうに関東平野が広がっているのが確認できます。この角度からすると、埼玉県の鶴ヶ島や川越の街並みだと思われます。手前の山の中にある緑色の広場のような場所は、秩父高原牧場の天空のポピーと呼ばれる観光スポットですね。草原の一部がピンク色に染まってポピーが一面に咲いている様子がここからでも確認できます。
続いて、南西方面の眺めをパノラマ画像でご覧ください。両神山、二子山、赤久縄山、そして遠くには八ヶ岳連峰が見えるはずですが、残念ながらこの時は雲があって見ることができませんでした。
すぐ足元には奥秩父の山々が広がっています。太陽の光が当たっている部分と、雲の影になっている部分とで、緑のコントラストがとても美しいです。
山頂から一度城峯神社まで戻り、帰りは長尾根コースを下ってきました。長尾根コースは、アップダウンあり、ロープを使って下りる急斜面ありで、表参道コースとは異なりまさに山道という感じのコースです。距離も表参道コースの約2倍あります。
しばらくは尾根伝いにアップダウンを繰り返し、18号鉄塔分岐を過ぎたあたりから急激な下りが始まります。
下り始めてすぐ、下の方に白い大きな塊が見えてきました。最初はコンクリート製の人工物か何かだと思いましたが…
近づいてみると大きな岩の塊でした。これだけの大岩であれば名のある岩かと思いましたが、周囲に説明板のようなものは一切ありません。後から見た地図には、この辺りに「展望岩(現在展望なし)」と記されていたので、おそらくこれが展望岩なのだと思います。
道が岩の下側に続いているので、下から見上げてみると、予想以上に巨大な岩です。高さは10mくらいはあるでしょう。
さらに少し進んだところに、人の背丈より大きな岩が真っ二つに割れた岩があります。まるで「鬼滅の刃」で炭治郎が切った岩のようです。これも特に名前は付けられていないようです。
さらに進むと、大岩の上に2本の松が生えている場所が現れました。ここも結構な映えスポットだと思いますが、これも特に名前は付けられていないようです。他の山では、こういった映えスポットに名前を付けて、見どころとしてアピールしていますが、ここではそうした意図はまったく無いようです。
かなり下ってきました。人がかつて生活していたと思われる平地や畑跡、竹やぶが見られるようになってきました。道端には馬頭尊があり、人々の生活感が感じられます。
よく見ると、馬頭尊のてっぺんをてんとう虫が…。
ようやく、中郷登山口まで下りてきました。振り返ると、青空に映える新緑の山が美しいです。
朝に出発した水車小屋まで戻ってきました。お疲れ様です。
城峯山は公共交通機関を利用してのアクセスが少し不便なため、マイナーな山とされることが多いです。しかし、その静寂な雰囲気は、山歩きを心から楽しみたい方にはぴったりな山と言えます。
加えて、城峯神社に伝わる平将門伝説や山頂の展望台からの眺望など見どころも豊富です。自然と歴史ロマンの両方を満喫する山歩きが楽しめます。この山を一度訪れれば、その魅力に間違いなく引き込まれることでしょう。
皆さんも是非、このコースに挑戦して、山歩きの楽しさを実感してみてください。それでは、また別の記事でお会いしましょう。