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モリゾーです。定年を数年後にひかえたシニア予備軍です。
この雑記帳では、釣りやキャンプの話題からちょっと離れて日々の気になる話題などやブログ作成の舞台裏などを気軽に書いていきます。
今回は、令和元年12月10日(火)国土地理院の地図の利用手続が緩和されるという話をしたいと思います。
私は、ブログを始めるようになってから、国土地理院のサービスをよく利用させてもらっています。
それ以前は国土地理院の提供しているサービスについてはまったく知らず、国土地理院のWEBサイトすら訪問したことはありませんでした。
それがブログを開設してからは、記事の中で掲載しているキャンプ場のアクセスマップやオリジナルのサイトマップのベースとなる地図に国土地理院の地図データを使用するようにしたため、国土地理院のサービスをよく利用しています。
先日国土地理院のサイトを訪問したところ、以下のお知らせが掲載されていました。
地図等を利用される皆様へのお知らせ(地図の利用手続の緩和について)
国土地理院は、令和元年12月10日(火)に、地図等の利用手続の運用を改正します。
改正により、利用にかかる申請不要の範囲が広がることから、利用者がより簡便に利用できるようになります。
例えば、国土地理院の地図を書籍に挿入して掲載する場合、一部(地図帳や折り込み地図)を除き出典の記載だけで利用可能となります。
今回の改定は、行政の保有する情報のオープンデータ化の取り組み促進が背景にあるようです。
地理空間情報のオープンデータ化を推進することによって、防災関連の研究や新たなビジネスでの地図の活用促進に寄与することを狙いとしているようです。
この利用手続きの緩和は、国土地理院のサービスをよく利用するユーザーにとっては、たいへんありがたく歓迎すべき改正です。
その内容を説明する前に、そもそも国土地理院が提供しているサービスにはどんなものがあるのか紹介します。
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国土地理院が提供しているサービスはいろいろあります。
国土地理院のWebサイトの地理空間情報ライブラリーというページで国土地理院で提供しているサービスの一覧が確認できます。
逆にいろいろありすぎるのと、しかも結構専門的で特殊な用語を使っていたり、特定の分野の人向けのサービスだったりするので、実は自分も他人に説明できるほど良く理解できていません。
ようやく最近になって、こんなサービスがあるんだと分かってきたところです。
そこで今回は、一般の人が使って便利だと思える国土地理院の代表的なサービスである地理院地図というサービスを紹介します。
地理院地図とは、Webブラウザで国土地理院の地形図や写真などを見ることができるサービスです。
言葉で説明するよりも、実際に見て使っていただいた方が早いと思いますので、まずはこちらにアクセスしてみてください。
見た目はGoogleMapのようなサービスですが、地理院地図では、ベースとなる地図(ベースマップ)の上に、国土地理院が整備している、地理院タイルと呼ばれている様々な地理空間情報を重ね合わせて見ることができるサービスです。
では次に地理院タイルがどんなものなのかについて見ていきましょう。
国土地理院のサイトでは、地理院タイルは次のように解説されています。
地理院タイルとは、国土地理院が測量して作成した地図データのこと。
日本全土をタイル状に区分けして地図を作成しているため、地理院タイルと呼ばれている。
日本全土をタイル状に区分けしたデータだということはわかりましたが、いまいちピントきません。
では、実際どんなデータなんでしょうか?
国土地理院の情報をもとに地理院タイルの一覧を以下の表にまとめました。
大分類 | 小分類 | 地理院タイル |
---|---|---|
基本測量成果
※利用する際には申請が必要な場合がある |
ベースマップ | ・標準地図 (ズームレベル5~18の日本全国とその周辺地域のみ) ・淡色地図 (ズームレベル5~18の日本全国とその周辺地域のみ) ・English |
土地の特徴を示した地図 | ・数値地図25000(土地条件) ・土地条件図(初期整備版) ・沿岸海域土地条件図 ・火山基本図 ・火山基本図データ(基図) ・火山基本図データ(陰影段彩図) ・火山基本図データ(写真地図) ・火山土地条件図(一部の火山を除く) ・数値地図5000(土地利用) ・土地利用図 ・湖沼図 ・湖沼データ |
|
基本測量成果以外
※出典を記載することで申請なく利用可能 |
ベースマップ | ・標準地図 (ズームレベル2~8(ズームレベル5~8の日本全国とその周辺地域を除く)) ・淡色地図 (ズームレベル2~8(ズームレベル5~8の日本全国とその周辺地域を除く)) ・白地図 ・写真 |
空中写真・衛星画像 | 年代別の10種類の空中写真データ | |
起伏を示した地図 | 色別標高図、デジタル標高地形図、アナグリフなど7種類のデータ | |
土地の特徴を示した地図 | 活断層図、治水地形分類図、明治期の低湿地、宅地利用動向調査など8種類のデータ | |
基準点・測地観測 | 基準点、磁気図など3種類のデータ | |
地震、台風・豪雨等、火山 | 地震、台風・豪雨、火山などの災害時の画像 例:令和元年山形県沖の地震、令和元年10月の低気圧に伴う大雨、草津白根山の火山活動など |
|
他機関の情報 | 森林(国有林)の空中写真(林野庁)など | |
その他 | 標高タイル | |
上記以外のもの
※出典の記載以外に利用上の注意が必要なもの |
起伏を示した地図 | 赤色立体地図、伊豆大島 赤色立体地図、三宅島 赤色立体地図など9種類 |
その他 | 指定緊急避難場所、自然災害伝承碑 |
なお、詳細については、こちらの国土地理院のWEBサイトでご確認ください。
何だかいろいろな種類のデータがあるということは、分かっていただけたかと思います。
では、国土地理院のサービスを自分がどのように利用しているか紹介します。
自分のブログでは、キャンプ場の場所やサイトを説明するためにオリジナルのアクセスマップやサイトマップを作成して掲載しています。
マップは、なるべく実際の位置関係を忠実に表現したいため、実際の地図データをマップの下絵として、トレースして描き直したものに独自の情報を付加しています。
この下絵となる地図に国土地理院の地理院タイルを利用しています。
ところで、地図といえばGoogleMapが一番メジャーで誰もが最初にイメージすると思います。
自分も同じで、当初はGoogleMapの地図をベースとすることを考えていました。
ところがネットでいろいろ調べてみると、GoogleMapの地図をトレースしてオリジナルのマップを作成するという行為は、著作権侵害にあたるため利用することができないということを知りGoogleMapの利用を断念しました。
そこで他に利用可能な地図データをいろいろ探した結果、国土地理院のサービスで地図データがダウンロードできることを知って利用することにしたわけです。
もちろん国土地理院の地図データも勝手に利用することは許されていません。
地理院地図の場合は、著作権というよりも測量法という法律の第 29 条と第 30 条で複製もしくは使用する場合は国土地理院長の承認が必要な場合があると定められています。
承認が必要な場合があると表現しているように、地理院タイルの複製や使用は、一定の条件を満たしていれば無許可で利用でき、条件を満たしていなくても、申請して承認されれば利用可能となります。
ところで、この説明の中で”複製もしくは使用する場合は“という表現が出てきましたが、測量法の中では”複製“と”使用“が明確に定義されています。
<複製と使用の違い>
・複製(測量法第 29 条)
-測量成果をコピー、スキャン等で複製したものを単に背景として用 いているもの。
-測量成果の一部の情報を間引いたり、独自情報を付加しただけのも の。
-測量成果の情報を読み取って作り変えることはしていない。・使用(測量法第 30 条)
-基の測量成果の情報を読み取って、基の測量成果に手を入れて別種 の地図を作成しているもの。
-測量によって得たデータ等を付加し、独創性のある主題図(地質図 等)を作成しているもの。
-数値地図(国土基本情報)等(ベクトルデータ)を使用して紙地図 (ラスター画像)を作成しているもの。
出典:国土地理院
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今回の改正のポイントは以下の2点です。
それぞれのポイントについて国土地理院のホームページに掲載されている解説を要約して以下にまとめました。
詳細については、国土地理院のホームページでご確認ください。
従来は、刊行物等に少量の地図を挿入して利用する場合、掲載する地図の大きさや分量により、申請が必要な場合がありました。
また、従来は、国土地理院の地図を、コピーやスキャンして刊行・ホームページに掲載したり、使用して新たな地図を作成する場合は、位置座標の有無を問わず、申請が必要でした。
従来は、基本測量成果(基盤地図情報を除く)を何ら手を加えずにそのまま複製すること(デッドコピー)は承認不可としていました。
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私がブログに掲載しているこちらのマップは、国土地理院の標準地図(ズームレベル14)をダウンロードして、トレースして独自の情報を加えて描きなおしています。
どのようにトレースしているのかは、また別の機会に説明するとして…。
この場合、測量成果の情報を読み取って、さらにその測量成果に手を入れて別種の地図を作成しているということになるので、測量法で言うところの「使用」に該当し、測量法第30条が適用になります。
で、作成したマップを申請なしでブログに掲載できるかどうかですが、改正前は上述の「改正前の申請不要なケース」の 8. Webサイトに少量の地図を挿入して利用 に書いてあるように、
300×400ピクセル以下の大きさであればOK
300×400ピクセルを超えるのであればWebサイト全体の中で5枚までOK
という決まりになっていますので、自分の場合はどちらの条件にも合わないということで、要申請と判断しました。
では、実際どのように申請したかを具体的に紹介します。
国土地理院では、測量成果ワンストップサービスとして測量成果利用のインターネット申請システムを提供しています。
ネットで利用申請ができるので大変便利です。
こちらからアクセスしてください。
https://onestop.gsi.go.jp/onestopservice/
こちらの測量成果ワンストップサービスでは、設問項目に答えていくことによって申請書が出来上がり、申請ができる仕様になっています。
なお、申請を行うには、ユーザー登録する必要がありますので、ユーザー登録していない場合はあらかじめユーザー登録してください。
まず最初に ①利用申請(複製・使用)なのか、②基準点及び基準点成果などの使用申請なのかを選択します。
今回自分のケースでは、「使用」に該当しますので、①利用申請(複製・使用)を選択しました。
本当に申請が必要なのかどうか判断するために、利用するデータの分類や利用目的、加工方法などを選択していきます。
選択した結果、申請が必要なら次のステップに進みます。
「複製」に該当する場合は、複製の目的、作業方法、複製するデータの種類・名称、利用方法、申請者氏名、作業者氏名などの設問項目に答えていきます。
「使用」に該当する場合は、使用の目的、作業方法、利用方法、申請者氏名、作業者氏名などの設問項目に答えていきます。
3.4.の設問への回答は、別紙にまとめて記載し添付することも可能です。
最後に申請ボタンを押すことによって、国土地理院の審査係の方に承認申請が送信されます。
実際に私が申請した時の申請書(申請後にダウンロードできます)と申請書に添付した別紙がこちらです。
別紙には、
1.使用目的
2.使用する測量成果の種類及び内容
3.使用方法
(1)作成工程
(2)トレースする情報及び独自に付加する情報
(3)完成品の形態
などを詳細に記載しています。
審査結果はだいたい3日から1週間くらいでメールで通知されます。
送られてきた使用承認書には、条件がいくつか記載されています。
成果品とは、地理院タイルを使用して作成したマップのことを指しています。
ということで、作成したオリジナルマップの中に指定の文言を記載するとともに、完成したものを国土地理院に提出しています。
このように、結構面倒な申請手続きが必要ということと、審査結果がでるまで多少時間が必要という制約がこれまではありました。
改正によってWebサイトに掲載する場合は申請しなくても良くなるのかどうか、上述の「改正後の申請不要なケース」には、Webサイトについて言及されていません。
同じ資料(国土地理院の地図の利用手続 改正の概要(詳細版))の別の場所に、3-c.書籍、パンフレットへの地図の挿入(地図帳、折込み地図を除く)の補足説明として、以下の記載がありました。
申請の要否に関する改正のポイント
C) 3cについては、従来、書籍等の地図の挿入については分量で判断していたが、今後は、挿入であれば一律不要とする。
(書籍の本文に記載される地図等を使った測量等は実際には行われない等のため)
・ウェブサイトへの地図の挿入(貼り付け)は申請不要。ただしページ内のリンク等をクリックした後に別窓が開き単体の地図が表示されるもの や、ウェブサイトのメインコンテンツが地図である場合は申請不要としない。
このようにWebサイトに掲載する場合の条件としてあった、サイズの制限や枚数の制限が撤廃されたことになります。
ただし、出所の明示(例:この地図は国土地理院の地理院タイルを使用)は必要になりますので注意が必要です。
出所の明示についての詳しい説明は国土地理院のこちらのページに記載されていますのでご確認ください。
今までのような面倒な申請手続きや審査結果待ちもなくなり、自分にとって、そして全国のクリエイターさんにとっても今回の改正はありがたい内容ではないでしょうか。
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以上で国土地理院の地図の利用手続の緩和の話は終わりです。
最近ではGAFAによるデータ独占が問題となっていますが、地図データのような企業も個人も皆が使用するデータのオープンデータ化は本当に良い取り組みだと思います。
是非皆さんも国土地理院の地図データを活用してみてください。