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渓流ベイトフィネス用テレスコロッドのトップガイドが折れたので修理。富士工業製ガイドに凝縮されたノウハウに脱帽

モリゾーです。定年を数年後にひかえたシニア予備軍です。

昨年ファミリーキャンプを卒業し、今はソロで気ままに釣り、キャンプ、登山などを楽しんでいます。

今回は、昨シーズンの話になりますが、渓流ベイトフィネスでいつも愛用していたテレスコロッドのトップガイドの部分が折れてしまったので、メーカーからトップガイドを調達して修理したという話しを紹介します。

この記事では、誤ってトップガイドを折ってしまった人に向けに

  • 富士工業製のトップガイドについて
  • トップガイド選びで悩んだところ

を伝えていきたいと思います。

この記事が、皆さんがロッドのトップガイドの修理の際の参考になれば幸いです。


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目次

渓流ベイトフィネスでいつも愛用していたテレスコロッド

昨シーズンから渓流ベイトフィネスにチャレンジしています。

いつも愛用しているロッドは、Tailwalk Troutia 43L/C-T。

昨年の夏、誤ってロッド先端のトップガイド付け根の部分でポッキリ折ってしまうという大失態をやらかしてしまいました。

Tailwalk Troutia 43L/C-Tのトップガイドがポッキリと折れてしまった

そもそもTailwalk Troutia 43L/C-Tとはどんなロッドなのか?

Tailwalk Troutia 43L/C-T
ロッドの継数6本、仕舞寸法37cmのとてもコンパクトなテレスコロッド

Tailwalk Troutia 43L/C-Tは、 長さ4フィート3インチのテレスコピックロッド(テレスコロッド)です。

ロッドの継数は6本で、仕舞寸法が37cmのとてもコンパクトになる、いわゆるパックロッドというやつです。

たまたま行きつけの中古釣り具屋で売りに出されていたのを見かけ、迷っていたら買われてしまうと思い、その場で購入を即決して手に入れたロッドです。

テレスコロッドとは?

テレスコロッドとは、伸縮式のロッドのことで、テレスコピックロッドあるいはテレスコープロッドを略してテレスコロッドと呼ばれています。
いわゆる振り出し竿のことですね。
テレスコピックとは、もともと望遠鏡が伸縮式であったことに由来していて、伸縮性のあるものをテレスコピックとかテレスコープと呼んでいます。
テレスコロッドは仕舞寸法が短くて携帯性に優れていますが、ロッドの先端が細いので折れやすいという欠点があります。

パックロッドとは?

また、同じようなシーンで良く使われる言葉として、パックロッドという言葉がありますが、こちらは仕舞寸法がコンパクトになるものをパックロッドと呼んでいます。
持ち運びが便利なのでモバイルロッドと呼ばれることもあります。

話が脱線しましたが、なぜテレスコロッドにしたのかというと、理由は特にないです。

たまたま即決買いしたロッドが渓流用の短いテレスコロッドであっただけ。

実際に渓流で使って見ると、釣り上がって行く中で、高巻きしなければならないときがありますよね。

そんな時もロッドにルアー付けたまま簡単に収納でき、両手を空けることができるので思っていた以上に便利でした。

しかも、ロッドの長さが短いので狭い渓流でも取り回しが楽でとても満足しています。

と、お気に入りのロッドだったのですが、収納時にロッドの先端に力を掛けてしまったためトップガイドの付け根でポッキリと逝ってしまいました。

Tailwalk Troutia 43L/C-Tの折れてしまったトップガイド

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修理するために似ているトップガイドを調達

無残にも折れてしまったトップガイドのパイプには折れたロッドが詰まっていて、パイプからロッドの破片を取り出すことは難しそうな状況。

パイプには折れたロッドが詰まっている
拡大するとこんな感じ。取り除くのは難しそう

トップガイドの再利用は諦め、同じようなトップガイドをどこからか調達することに。

この時点では、ガイドに関する知識は全くなし。

とりあえずネットでガイドについて調査することに。

まずは、ロッドに関する情報をTailwalk Troutiaのホームページから入手。

Tailwalk Troutiaの商品情報にこんな記載がありました。

トラウトの世界を「もっと手軽に。もっと真剣に。」

トラウトの世界を「もっと手軽に。もっと真剣に。」をコンセプトに開発されたシリーズ。
エリアからストリームまで対応するラインナップ。
さらにトラウトベイトフィネスに対応するベイトタイプ2アイテム。

オリジナリティ溢れる伝統的なグリップデザイン。
FUJI SiC Kガイド搭載。

引用元:http://tailwalk.jp/trout/troutia/

注目すべきは、「FUJI SiC Kガイド搭載」と記載のところ。

FUJI SiC Kガイドとは何ぞや?

さらにググってみると、こんなことが分かってきました。

・「Fuji」とは富士工業というメーカーで、ガイドのシェアナンバー1のメーカーであること。

・「SiC」はSiCリングと呼ばれるもので、ガイドのリングの素材がSiCという素材でできているリングを指していること。

さらに富士工業のホームページでSiC素材のリングについて調べてみると…

超・放熱性
SiCは、改良型ハードリングの5.7倍という圧倒的な熱伝導率。
ラインが急に強く引っ張られる時や大きな魚を寄せる時、リングとの接点には瞬間的に高熱が発生します。
SiCリングは、その熱を一瞬で拡散し、大切なラインを守ります。

超・スベリ
SiCリングは、宝石レベルの鏡面研摩仕上げ。
硬く崩れにくいSiCを特殊製法によって徹底的に滑らかに磨き上げるから、表面は顕微鏡で見てもツルツル。
改良型ハードリングと比べた糸切りテストでは、驚異的な低摩擦抵抗によって20倍以上のライン寿命を記録(当社テスト)。
ラインダメージを飛躍的に軽減し、色艶も変質または劣化しません。

超・硬度
SiCはステンレスの12倍の硬度で、ダイヤモンドに次ぐ硬さ。
目に見えない砂や塩が付着したラインは、長~いヤスリと同じ。
なので特にPEラインには、削れにくく減りにくいSiCは不可欠なのです。

超・軽量
SiCはステンレスの1/3の軽さ。
これは、超軽量チタンフレームとの相乗効果で、感度やバランス、ロッド性能を大きく引き出すカギとなります。

引用元:https://www.fujitackle.com/technology/SiC_Guide/

ちなみに、SiCは、化学式(Silicon Carbide)ケイ素(Si)と炭素(C)の1:1の化合物という意味だということです。

SiCリングってすごいですね。

全然知りませんでした。

・「Kガイド」は、ガイドのフレームの構造を表していて、糸絡みを減少させる効果があるということ。

製造メーカーである富士工業ではいろいろ試行錯誤を重ねて、今のKガイドの構造になったようです。

糸絡み減少 Reduced Line Tangling

傾斜フレーム第1世代の考え方
糸絡みはフレームが前方に傾斜しているほど絡みにくく、絡みが外れやすくなる。

傾斜フレーム第2世代の考え方
正円リングは傾けるほど糸通り性能は低下。

だ円リングはシングルフットの場合、リングとフレームが長くなることによる重量増と、支点にかかる負担増で強度低下の恐れあり。
(ただし2007年発表「IMシリーズ」は二段傾斜フレームによってこれを克服)

これに対し第2世代は、リング直立のまま傾斜ブリッジを設けることで糸通り性能を確保しつつ糸絡みを回避。

第1世代・第2世代・共通の考え方
糸絡みは、ガイドの数が多いほど、また、ガイドが小さいほど、そしてフレームが前方に傾斜しているほど減少する。

●ガイドの幅が狭く、背が低く、リングが小さいほどラインには絡みにくく、絡みが外れやすくなります。

FUJIガイドコンセプトは、ロッドが長尺で絡みを解くことが面倒な船や磯での釣り、そして絡みやすい細糸やPEラインを使う釣種のために、糸絡み対策を最優先とした傾斜フレームを導入しています。

●ガイドの数が多いほど、ラインは暴れにくく、絡みにくくなります。

●穂先ガイドが軽いほど、穂先ブレが減少し、ラインは絡みにくくなります。

FUJIガイドコンセプトは、特にトップと穂先ガイドを小型・軽量化しているため、糸絡みの一因である穂先ブレが減少します。

傾斜フレーム第3世代の考え方 -K構造の誕生-
第2世代が残した課題は、傾斜ブリッジ構造によって長くなる全長がロッドアクションを硬化させ、小口径・背低設計になった場合にラインにおよぼす過度のチョーク抵抗。

これらを一挙に解決したのが、傾斜角度の大きさにも傾斜ブリッジにも依存しない「K構造」でした。

傾斜角度はわずか70°にとどめ、くの字型の二段傾斜フレームを採用。

その結果、スピニングロッドでキャスト時に発生するキャスト絡み激減に成功。

しかも釣行中に起こるその他の糸絡みやラインのカブリに対しても絶大な効果を発揮。

また、使用リレーに合った高さと口径があることでチョーク抵抗増大が抑えられ、さらに全長を最短とすることでロッドアクションも損ねないという、これまでの糸絡み回避設計とは相反するはずの要素の一体化に成功しました。

引用元:https://www.fujitackle.com/technology/GuideConcept/

なるほど。

K構造とは、「傾斜角度はわずか70°にとどめ、くの字型の二段傾斜フレームを採用」に特徴があるということが分かりました。

普段何気なく目にしているガイドにもいろいろなノウハウが詰まっているのですね。

あらためて、メーカーの努力とガイドの重要性を認識しました。

つまり、Tailwalk Troutia 43L/C-Tは、ガイドのシェアNo1である富士工業製の放熱性・スベリ・硬度・軽量の特徴を併せ持つSiC素材でできた、糸絡みの削減に効果のあるK構造と呼ばれる傾斜フレームのKガイドを使用している。

ということですね。

ということは、富士工業製でTailwalk Troutia 43L/C-Tで使われているトップガイドを探し出して調達すれば良いということになります。

方向性が決定しました。

富士工業のトップガイドの中でTailwalk Troutia 43L/C-Tで使われているものと同じものを探してみた

富士工業のトップガイドはチタンフレームとステンレスフレームの2つに分類されています。

さらに用途や形状によって複数の型名のトップガイドが存在しています。

詳しいスペックは、富士工業のホームページに掲載されているのでご覧ください。

チタンフレーム

型名 用途・特徴 仕様
LF ・超軽量竿用 ・深絞りフレーム
KG ・糸絡みしにくい傾斜ブリッジつきの最軽量トップ
・リングの高さがティップガイドと揃う
・スピニング・ベイトキャスティング両用
・深絞りフレーム
・ハイフレームトップ
・3D構造による糸絡み自動解除機能
・各クラスFuji史上最軽量級かつ高強度フレーム
・究極のトップ用フランジリング
MN ・糸巻き式の傾斜フレームトップ
・エギング・GTロッド、投げ・石鯛・船竿など
・深絞りフレーム
LG ・磯上物・船小物竿、ルアー・フライロッドなど軽量スピニング用
・糸絡みしにくい傾斜ブリッジつき小型トップ
・深絞りフレーム
・絡みが抜けやすい傾斜ブリッジ
・ラインが引っかかりにくい凹凸のない背中
・磯上物竿では、仕舞い込みを気にせず第1ガイドが好きな位置に
FC ・太径ショートロッドに対応する小口径トップ
・ベイトキャスティング用
・深絞りフレーム
・上からの力に強く、しかも上からカブってくるラインの絡みが解けやすい

ステンレスフレーム

型名 用途・特徴 仕様
LG ・磯上物・船小物竿、ルアー・フライロッドなど
・スピニング・ベイトキャスティング両用
・糸絡みしにくい傾斜ブリッジつき小型トップ
・深絞りフレーム
・絡みが抜けやすい傾斜ブリッジ
・ラインが引っかかりにくい凹凸のない背中
・磯上物竿では、仕舞い込みを気にせず、第1ガイドが好きな位置に
MN ・糸巻き式の傾斜フレームトップ
・エギング・GTロッド、投げ・石鯛・船竿など
・深絞りフレーム
・絡みが抜けやすい傾斜ブリッジ
・ラインが引っかかりにくい凹凸のない背中
MG ・糸巻き不要の傾斜フレームトップ
・シーバスロッド、振出竿に対応
・深絞りフレーム
・糸絡みを減少させる傾斜ブリッジをパイプに直接強力にロー付けしました
・足が無いので、接着だけの簡単取り付けとなりました
・乗ったラインが抜けやすい凹凸のない背中です
・足が無いから仕舞い込みキッチリ
HN ・糸巻き式の傾斜フレームトップ
・胴突き・深海・磯底物竿、ヘビーオーシャン用
・深絞りフレーム
F ・ルアー・フライロッド、磯上物・磯遠投・振出・船小物竿など ・深絞りフレーム
L ・波止・サビキ竿  
P ・万能タイプ
・振出投・ちょい投・船竿、ルアーロッドなど
 

トップガイドと一口に言ってもこれだけの種類があるんですね。

トップガイドの特徴に「深絞りフレーム」という言葉がちょくちょく出てきますが、こちらも調べてみました。

深絞りフレーム Drawing-pressed Frame

リングを「点」で支える従来フレームは、強度を板厚に頼りがちでしたが、深絞りフレームは絞り、捻り、曲げといった加工によってリングを幅広く包み込むことにより、板厚を薄くしても従来機構と変わらないリング保持力が確保できるとともに、これまでより薄型リングが採用できることで、フレームとリング両面での軽量化が可能となりました。

引用元:https://www.fujitackle.com/technology/GuideConcept/

細かいところにもノウハウが詰まっているんですね。

話がそれたので本題に戻ります。

まず、チタンかステンレスか?

チタンフレームは、軽い、強い、さびにくいという特徴がありますが、今回はそこまで性能を求めているわけではないので、ステンレスで十分であると判断

次に、形状は?

まったく同じものがあれば即決なんですが、見たところ同じ形状のものは無いようです。

そこで形状が似ているものを選ぶと、LGトップ、Fトップ、Pトップの3種類が候補に

続いてパイプの太さは?

これが問題。

ノギスを持っていないので正確な太さを調べられないのである。

とりあえず定規を使ってロッドの先端の太さを測ってみたところ、およそ1.2mm位か・・・。

トップガイドのスペック表を見てみると、ハイプのサイズはO/Dと記載されています。

O/DとはOuter Diameterつまり「外径」のことを指しています。

パイプの素材の厚さも含めたサイズなので、ロッドの先端の太さより幾分大きめがいいのか?

う~む、これには困ってしまいました。

実際にトップガイドをロッドの先端にハメてみないことには、このサイズでいけるとは判断しかねます。

実際に購入したパイプが小さかった場合は、ロッドの先端を削って無理やり合わせるか・・・、

逆に大きかったら接着剤で固定してしまうしか方法はないか・・・。

いろいろと迷った結果、トップガイド自体はそれほど高額でもないので、今回は安全策ということで、O/Dサイズが1.2mmのものとそのひとつ上のサイズの2種類を注文することに

で、候補となっている3種類を見てみると、Pトップは最小が1.84mmなので対象から外れ、LGトップかFトップの2択に。

最終的にステンレスフレームのLGトップでO/Dサイズが1.2mmと1.3mmを注文することに決定。


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楽天で富士工業製トップガイドを注文

注文は、富士工業に直接注文するのではなく、富士工業のパーツを扱っている釣具屋さん経由で注文する形になります。

楽天やアマゾンで検索すればヒットします。

今回は楽天に出店している釣具屋さんに注文しました。

品名:富士工業(Fuji工業) LGトップガイド PLGST5 SiCリングJ型 パイプサイズ0.8-2.2mm 傾斜ブリッジ付き軽量トップガイド /クリックポスト対応可能

型番:PLGST5-1.0  O/Dサイズ:1.2mm

型番:PLGST5-1.1  O/Dサイズ:1.3mm

実際にTailwalk Troutia 43L/C-Tに取り付けて見た

届いた商品がこちら。

商品はこんな感じで個別にビニール袋に入って送られてきました。少しかすれて分かりづらいですが、袋にはマジックでPLGST5-1.0を書いてあります
LGトップガイド(PLGST5-1.0)
LGトップガイド(PLGST5-1.0)を真横から見るとこんな形をしています
左がTailwalk Troutia 43L/C-Tにもともと付いていたトップガイド。右が今回調達した富士工業製LGトップガイド。まったく同じものがなかったので似ているものを選びましたが、少し形が違いますね
真横から見るとこうなります。LGトップガイドは背中(写真下側)に凸凹がないためラインが引っ掛かりにくいという特徴があります

早速、Tailwalk Troutia 43L/C-Tのロッドの先端にハメてみると、O/Dサイズが1.2mmのものと1.3mmのものでは、1.3mmがぴったりハマりました。

ロッドの先端の太さが1.2mmであったので、トップガイドのO/Dサイズ(外径)はパイプの素材の厚み分、ロッド先端の太さよりひと回り大きいサイズを選択しないと入らないということですね。

こんな感じにピッタリとハマりました
なかなかいい感じではないでしょうか

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まとめ

  • ロッドに付いているガイドは単にラインを通すリングとしか見ていなかったけど、調べてみると糸が絡まないような工夫だったり、熱を発生させないような素材を使っていたり、いろいろメーカーさんが試行錯誤の末今の形状・素材になっているということが分かり、改めてガイドの奥の深さを認識した。
  • ロッドを選ぶ際は、ガイドが富士工業製のSiCリングでKガイドを採用しているか確認すべし

以上でTailwalk Troutia 43L/C-Tのトップガイドの修理の話は終わりですが、皆さんの役に立ったでしょうか?

それではまた別の記事でお会いしましょう。


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